環境との調和

基本的な考え方

キョーリン製薬グループは、「環境問題への取り組みは人類共通の課題であり、企業の活動と存続に必須の要件として、主体的に行動する」と企業行動憲章に掲げ、サステナビリティを巡る取り組みの基本方針に基づき、地球環境・地域社会の環境への影響に常に配慮した事業活動を行います。

事業活動のあらゆる場面で、省エネルギー、省資源・廃棄物の削減、環境負荷物質の削減と限りある資源の有効利用を推進し、目的・目標の設定と見直しを行うことによって、環境保全および汚染予防に、主体的、積極的に取り組みます。

環境保全

当社グループは、「地球温暖化防止」「資源保護」「自然環境との調和」を重点テーマとする環境保全に努め、省エネルギー、省資源、廃棄物の削減、化学物質の管理強化等、環境負荷物質の削減と、限りある資源の有効活動を推進しています。また、キョーリン製薬グループ工場(株)では、環境マネジメントシステムの国際基準であるISO14001を、全ての工場で取得しています。

キョーリン製薬グループのマテリアルフロー(2020年度)

「マテリアルフロー」の図

※本社・事業所・研究所・工場からの排出量に、営業車両等に使用した燃料による排出量を加えたもの

気候変動対策

当社グループは地球温暖化防止に向け、本社・事業所・研究所・工場のCO2排出量については、2019年度のCO2排出量(27,477トン)を基準に2023年度まで年平均1.5%削減達成を目標として取り組みを進めています。2020年度のCO2排出量は27,041トンとなり、目標に対し順調に進捗しています。
また当社グループはTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)のフレームワークを参考に、気候変動に係るリスク及び収益機会を評価し、対応するとともに、気候変動による事業への影響について、提言に基づく開示の拡充を進めています。

気候変動に関するリスク・収益機会の分析

地球温暖化や気候変動そのものの影響、及び気候変動に関する長期的な政策動向による事業環境の変化が当社グループの事業や経営に及ぼしうる影響について、脱炭素社会への移行リスク・気候変動に起因する物理的リスク・収益機会に分け、シナリオ分析を行っています。
シナリオ分析にあたっては、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第5次評価報告書のRCP2.6(2℃シナリオ)、RCP8.5(4℃シナリオ)等を参考にしています。

2℃シナリオ

移行リスク
分類 事象 リスク 対応方針
政策・法規制 環境税(炭素税)の導入
  • 環境税(炭素税)が導入され、研究・生産・営業に関わる温室効果ガスの排出に課税が行われた場合、環境税の導入により、コスト増加となる可能性がある。
  • CO2排出量削減活動の更なる推進
  • 再生可能エネルギー電力の移行検討
  • 営業車両削減及びHV車・EV車へ切替検討
  • EHSマネジメントシステムの効率的運用
設備・機器の導入
  • 新たな法規制により、既存の設備を再生可能エネルギーに対応した設備に更新する場合、新規設置によるコスト増加となる可能性がある。
  • 省エネルギー設備・機器の計画的設備更新
市場 調達・操業コストの変化
  • 電力の再生可能エネルギー比率を上げた場合、電力調達コストが増加する可能性がある。
  • 調達先・物流委託先の移行リスクへの対応により、生産原価・物流コストが増加する可能性もある。
  • 再生可能エネルギー電力の確保
  • 高効率機器の導入
  • 調達先・物流委託先等との協働による物流コストの削減
評判 投資家からの評価
  • 当社の気候変動対策への遅れにより、投資家の信頼を失い株価へ影響する可能性がある。また、情報開示不足により、株価が下落する可能性もある。
  • 気候変動対策の実施状況等の適時・適切な開示
  • 外部調査への参加

4℃シナリオ

物理的リスク
分類 事象 リスク 対応方針
急性リスク 異常気象(台風・大雨等)による直接的な被害
  • 局地的豪雨・台風の大型化等により、研究・生産・物流拠点が浸水し、操業停止および修復費用が発生する可能性がある。また、自社拠点だけではなく、サプライチェーン(原料調達・出荷物流)が寸断される可能性もある。
  • 水害対策等を想定した設備計画の検討・実施
  • 緊急事態発生を想定した訓練の実施
  • 適切な在庫管理
  • 複数の原料調達先確保
慢性リスク 気象パターンの変化・気温上昇・海面上昇等による拠点・調達・操業の変化
  • 複数の研究・生産拠点が河川に近く、気温上昇による海面上昇、気象パターン変化による河川氾濫への対策、または拠点見直しによりコスト増加となる可能性がある。
  • 調達先・物流委託先の物理的リスクへの対応により、市場価格が上昇し、生産原価・物流コストが増加する可能性がある。
  • 気温上昇により、製造・保管・物流における空調の温度管理におけるコスト増加となる可能性がある。
  • 水害対策等を想定した設備計画の検討・実施
  • 適切な在庫管理
  • BCPの観点から拠点の最適化の検討
  • 複数の原料調達先確保
  • エネルギー効率の改善
収益機会
分類 事象 リスク 対応方針
市場の変化 疾病動向の変化
  • 気温の上昇により感染症が増加し、当社のビジネスチャンスが拡大する可能性がある。感染症に関わる診断・予防・治療における当社製品の需要や適応範囲が拡大する可能性がある。
  • ソリューション提供型への変貌
  • FC領域でのプレゼンス確立
  • パイプライン拡充への積極投資

低排出ガス車導入によるCO2の削減

写真:ハイブリッドカー導入によるCO2の削減

当社グループは、地球温暖化防止の観点から営業車両に低排出ガス車やハイブリッドカー等のエコカーを積極的に導入しています。2021年3月時点で916台すべての営業車両が低排出ガス車の基準を満たしており、その内2004年から導入を進めているハイブリッドカーは497台(約54%)にのぼります。また、エコドライブを励行することで、環境への配慮と交通安全を意識した車両の運用をしています。

環境に配慮した研究開発拠点

杏林製薬(株)わたらせ創薬センターでは、導入したReHP技術が、2017年5月、低炭素社会実現に向けた建築設備に贈られる「カーボンニュートラル賞関東支部奨励賞」を受賞しました。また当システムによる省エネルギー活動に加え、省エネルギーに関する推進体制、人財育成・教育、取り組みについて関東経済産業局による書類および現地調査が行われ、令和2年度エネルギー管理優秀事業者等表彰「関東経済産業局長賞」を受賞しました。 2020年度の当システムの運転実績は、従来の空気熱源ヒートポンプに比べて、削減電力量は46,446kWh、CO2削減量は約21トンとなり、約23%の省エネルギーを実現しました。

「わたらせ創薬センター」「カーボンニュートラル賞関東支部奨励賞」「電気使用合理化活動 最優秀賞」

※ReHP(Renewable Energy Heat Pump)とは、再生可能エネルギー利用高効率ヒートポンプシステムの呼称で、わたらせ創薬センターのReHPは、隣接する2つの建物(CSとLAB1)において、地中熱および未利用エネルギーである水冷チラー排熱等からなる熱源と熱利用機器(空調機および給湯器)を1つの熱源水ループを介して熱融通することによって、エネルギー利用効率の向上を目指すシステムです。

太陽光発電による環境負荷の低減

杏林製薬(株)では、自社所有の土地を利用した環境負荷低減への取り組みとして、再生可能エネルギーのひとつである太陽光発電設備を栃木県野木町内に2013年度に1カ所、2017年度に1カ所設置しています。

生物多様性への取り組み

写真:生物多様性への取り組み

キョーリン製薬グループ工場(株)能代工場では、郷土の防風林として、また憩いの場として市民に親しまれている「風の松原」を守る市民ボランティア活動に参加しています。

また杏林製薬(株)わたらせ創薬センターでは、構内の野生動物に対する環境の向上を目指し、渡良瀬遊水地に面した樹木に巣箱を設置し、野鳥の営巣が確認されました。

環境関連データ

環境会計

(単位:百万円)

環境保全コスト 設備投資額 維持管理費用
公害防止コスト 18 199
地球環境保全コスト 139 9
資源循環コスト 0 34
上下流コスト 0 15
管理活動コスト 0 26
研究開発コスト 0 0
社会活動コスト 0 1
環境損傷コスト 0 0
合計 157 284

(単位:百万円)

環境保全経済効果
廃棄物リサイクル収入 1以下
使用エネルギー節減 70
処理費用節減 0
合計 70

(単位:百万円)

環境保全効果 指標 / 単位 増減量 負荷量(2019年度) 負荷量(2020年度)
投入資源に関する効果 購入した電気の使用
千kwh
1,585 32,420 34,005
燃料の使用 重油
キロリットル
-96 1,504 1,408
燃料の使用 灯油
キロリットル
-293 2,724 2,431
紙の使用 t -9 53 44
排出する環境負荷及び削減に関する効果 廃棄物の発生量 t -87 727 676
大気への排出量 t CO2 -1,284 30,135 28,851
排出水 t BOD 0.0 1以下 1以下
資源循環に関する効果 廃棄物のリサイクル量 t -36 432 396
総排水量 千t 41 136 177

キョーリン製薬グループの環境に対する継続的取り組みと自己評価
(2020年度)

取り組み目標 達成手段 2019年度実績 2020年度実績 自己評価
1. 地球温暖化防止
(CO2削減と省エネ)
新規設備投資による燃料使用量削減(原油換算) 14,088kℓ 13,714kℓ(97.3%) ★★★
ハイブリット車両導入による燃費向上と排ガス削減 615/963 497/916(54.3%)
CO2の総排出量の削減
(本社・事業所・研究所・工場)
27,477t 27,041t(93.8%) ★★★
2. 廃棄物発生量の削減 排出総量の削減 727t 676t(93.0%) ★★★
リサイクル促進 59.4% 58.6% ★★
最終処分量 56t 58t(103.6%)
最終埋立量ゼロへの挑戦 7.7% 8.6%
3. 化学物質の管理 PRTR法対象物質管理と見直し 14.2t 13.3t(93.7%) ★★★
4. 大気汚染の防止 ボイラー・発電機よりのばいじん・NOx、SOx排出量測定管理 基準値以下 基準値以下 ★★★
5. 水質汚濁の防止 排水処理棟、一次処理装置による処置、pH、BOD・SS管理 基準値以下 基準値以下 ★★★
6. 森林破壊の防止 用紙リサイクル、再生紙使用、業務のペーパーレス化促進 53t 44t(83.0%) ★★★
7. オゾン層破壊の防止 特定フロン使用機器の全廃 2010年度全廃完了 - ★★★
8. 地盤沈下の防止 地下水利用を削減し、上水利用率向上 65.3% 53.9%
9. 騒音の削減 定期測定 基準値以下 基準値以下 ★★★
10. 生物多様性の保存 地域住民とのコミュニケーション(地域貢献活動) 全事業所計画達成 新型コロナウイルス感染症拡大の影響により一部見送り

※自己評価について:★★★達成 ★★ほぼ達成 さらなる取り組みが必要

本社・事業所・工場・研究所のCO2排出量の推移

「工場・研究所のCO2排出量の推移」のグラフ

売上当たりの廃棄物発生量の推移

「売上当たりの廃棄物発生量の推移」のグラフ

水使用量の推移

「水使用量の推移」のグラフ