事業戦略の概要
長期ビジョンに掲げる健康生活応援企業への進化を目指して、医薬品事業を中核とする多核的な事業ポートフォリオを構築しヘルスケア事業を通じて人々の健康に貢献することを目指します。
マルチ・コア戦略の概要
医薬品事業を複合的に展開することでさらに強化するとともに、事業リスクの分散を図るため、ヘルスケア事業においては多核的な展開・発展を目指します。

ファーマ・コンプレックス・モデル(PCモデル)の概要
薬事行政の動向など事業環境の変化に対応するため、キョーリン製薬グループは医薬品事業において複合的な事業展開を図り、医薬品事業の持続成長を目指します。そのため、PCモデルとして新薬群(特許および先発権のある既上市品および開発候補品)、先発品群および後発品群に医療用医薬品を区分し、環境変化に応じて臨機応変な戦略を展開します。

医薬品事業を複合的に展開するPCモデルの考え方に基づいて、医療用医薬品を新薬群、先発品群、後発品群の3つのカテゴリーに区分し、子会社である杏林製薬(株)とキョーリン リメディオ(株)においては生産面での連携を図り販売活動の一部を共通のプラットフォームとして連動させるとともに、社外との提携も活発化させ、激しく変化することが予想される環境に対応し効果的かつ効率的な事業展開をすることで持続成長を目指します。
なお、2015年度における医薬品事業の売上高目標については、気管支喘息・アレルギー性鼻炎治療剤「キプレス」および過活動膀胱治療剤「ウリトス」など主要製品の育成を図り1,200億円を目指します。
新薬群について
特許および先発権のある既上市品および開発候補品
「キプレス」

キョーリン製薬グループの成長を牽引する「キプレス」の特徴については、1日1回の経口投与で眠気が少ないことがあげられます。これまでの成人および小児の喘息に加えて、効能を追加した通年性および季節性のアレルギー性鼻炎(成人のみ)の治療にも貢献しています。
アレルギー性鼻炎は慢性炎症性疾患であるという啓発や、エビデンスの構築を推進することにより、アレルギー性鼻炎のベース薬としてのポジショニングを確立し、さらなる処方拡大を促進していきます。アレルギー性鼻炎へのロイコトリエン受容体拮抗薬の処方率は未だ低く、これらの取り組みを継続し、耳鼻科専門医はもちろんのこと内科医師を含め処方の裾野を広げることで2015年度には400億円以上の売上高を目指します。
「ウリトス」

「ウリトス」の特徴としては、夜間頻尿に対する効果と安全性、用量調節が可能な1日2回投与の薬剤であることがあげられます。
引き続き、潜在市場の掘り起こしと処方提案を継続し、2011年4月に発売された新剤型(OD錠*)の市場浸透に取り組みます。現在、OAB患者さんの受診率は低い状況ですが、新しい治療薬の上市の予定もあり、今後市場はさらに活性化し、患者さんの疾患に対する認知度、治療への意欲も高まることが予想されます。OAB市場は、2015年度に約1,000億円に拡大すると予想しており、「ウリトス」の売上高は2015年度には100億円への成長を目指します。
* 口腔内崩壊錠
「KRP-108」
「KRP-108」は、2012年度に申請し2014年度の上市を目指しています。「KRP-108」の特徴としては、ベストなICS(フルチカゾン)とLABA(ホルモテロール)の組み合わせおよび最適なデバイスを選択していることがあげられます。
なお、2010年度の吸入喘息治療剤の市場規模は800億円となっていますが、ICSとLABA配合剤市場は、急速に拡大しています。
先発品群について
ライフサイクルマネジメント(LCM)により製品価値の向上とライフサイクルの延長に取り組む製品
「ムコダイン」

「ムコダイン」は1981年の発売以来、計画的かつ継続的にLCMを展開しています。2010年5月には、利便性や適応症などこれまでの要望を踏まえて、新たな剤型として「ムコダインDS50%」を発売しました。
新剤型「DS50%」の幅広い年齢層への処方拡大を図るとともに、エビデンスデータ活用による慢性呼吸器疾患、慢性副鼻腔炎へのさらなる処方拡大を図り普及の最大化を目指します。2015年度の目標売上高は240億円としています。
「ペンタサ」

潰瘍性大腸炎における基準処方の確立に努め、活動期4g処方の浸透や、寛解導入、維持療法における注腸併用療法の普及に注力しています。
引き続き潰瘍性大腸炎に対する基準処方の定着を図るとともに、幅広いニーズに対応できる用法・用量と豊富な剤型(250mg錠、500mg錠、注腸)による患者さんにとっての利便性を訴求していきます。さらに新剤型、新用法・用量の開発を推進し、患者さんのニーズに応え、2015年度の目標売上高は190億円としています。
後発品群について
後発(ジェネリック)医薬品
特色ある後発(ジェネリック)医薬品事業の展開を目指し、当社グループ内での連携強化や、外部とのアライアンスをより積極的に推進しています。また、制度改革など環境変化に対応する物流の統合、原材料費のコスト低減による売上原価率の低下など、売上増加と利益拡大に対する対策の実行に取り組みました。
重点製品のさらなる売上拡大と、有力な追補品の拡充、重点領域の品揃えの強化に努め、売上高は2010年度の89億円から2015年度には200億円に引き上げる計画です。
物流の統合
2010年10月1日よりキョーリン リメディオ(株)の卸店販売ルートを杏林製薬(株)へ統合しました。この結果、卸店販売ルートにおける後発(ジェネリック)医薬品の売上拡大という効果が表れ始めました。また、将来的には環境変化に応じた臨機応変な戦略の展開をグループ内で行えるよう効果的かつ効率的な体制の構築に取り組むことが重要だと考えています。

特色ある後発(ジェネリック)医薬品事業の推進
1つ目のポイントとしてはグループ間の連携強化と国内外のアライアンス強化を図り、品質確保、安定供給、原価の低減に向けた取り組みを推進します。特に、さらなる売上原価率の低減は重要な課題と位置付けています。2つ目のポイントとして、特定領域の品揃えによる競争優位性を確保するための取り組みを推進します。具体的には感染症を重点領域とする方向性を定め、現在、日本で必要とされる一定種類の抗菌剤を中心に品揃えを充実させていきます。

ヘルスケア(スキンケア、一般用医薬品他)事業
「HOPE 100 –ステージ1–」におけるヘルスケア事業には、スキンケア事業と一般医薬品他の2つの区分が含まれています。医薬品事業のリスク補完とグループの持続成長に向け、事業の多核化を推進しています。スキンケア事業においては、収益事業化と成長促進(含むアジア市場展開)に取り組んでいます。一般用医薬品他では、ミルトンブランドを活用した新たな事業展開を推進するとともに、新規事業の創出を目指します。当社グループは2011年度より新規事業として、環境感染の制御を通じて、医療ニーズ・健康に貢献すべく環境衛生事業に積極的に取り組むことにしました。
環境衛生分野での、次に続く新たなアイテム獲得に向けた調査・検討を推進するとともに、医療用医薬品周辺領域における事業展開の可能性についても検討を進め、2015年度の目標売上高は200億円としています。
環境衛生事業への参入
当社グループが考える環境衛生事業とは、「健康や疾病の問題に対し、人間を取り巻く環境からアプローチし、人間に有害な影響を及ぼす環境を改善することによって人々の健康の維持・増進を図ることに関連する事業」と捉えています。
当面は、細菌やウイルスによる環境感染の制御に焦点をあわせた事業展開を目指します。
2011年度においては、米国デュポン社の製造する安定化二酸化塩素を用いた空間浄化システムおよび関連製品の販売を開始します。販売は、キョーリン メディカルサプライ(株)(旧(株)杏文堂)を主体として行っていきます。































